基本中の基本!ハードシェルを使いこなせ!

ハードシェルの選び方

ハードシェル、そう、多雨多湿の日本のアウトドア・山岳においてはなくてはならない存在です。
ソフトシェルのノウハウを言う前に、まずはハードシェルです。
撥水ではダメなんです。防水でなきゃ…
ということで、ハードシェルの違いについて紹介します。


ハードシェルとは何なのか?!

まず、ハードシェルという言い方ですが、「防水かどうか」というところで線引きしていいと思います。
したがって、レインウェアはハードシェルです。
ただ、季節ものとして、レイン/ハードシェルというわけ方をしています。
ハードのほうが広義であり、なんとなく、多くは雪の時期に対応しているものという狭義な使い方をしています。

 

ハードシェルジャケットの防水性について

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山では防水性を保ちつつ、透湿(発汗)性が重要になります。この素材の最たるものが、ゴアテックスです。
ゴアテックスは多孔質の極うすフィルムになっていて、水分子より小さく、気体分子より大きい多孔が機能して、水を防ぎ、汗を透過させるという働きをします。
同様の素材として、ブランド各社はそれぞれオリジナル防水素材を持っています。(H2NO:パタゴニア、部リーズドライテック:モンベル、エバーブレス:ファイントラックなど
ゴアテックスよりすぐれた透湿素材
ゴアテックスが広く使われていますが、現在はそれ以外にも、ドライQイーベントなどといった、透湿性の機能が冴えた素材が主流になりつつある。それに追従してか、ゴア社も同様の素材を開発してきました。

 

レイヤーの違い

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ハードシェルには、よく3層だとか2.5層だとかいった表現をしています。
それは、ゴアテックスの防水素材を1層として、それをサンドイッチのように裏表からナイロンで挟んだものを3層、外側だけナイロンを貼り付けたものを2層(ゴアテックスパックライト)、あるいは2.5層などとしています。
その違いによって、コスト・厚み・空気の抜け・生地の強度などが変わってきます。

 

ゴアテックスの種類

代表的なゴアテックスの種類を知りましょう。
汎用性の高いノーマルなゴアテックス以外に、通気性と軽量性に重点を置いたアクティブシェル。そして透湿性を保ちつつ強度を上げたプロシェル。この他、構造として2層の裏面をコーティングして軽量化させたパックライトシェルなどがあります。
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自分に最適なハードシェルを選ぶ

防水透湿素材の基本は3層でよし!

パックライト2層は別としまして、裏地がメッシュの2.5層や防水素材がむき出しになった2層は、主に発汗よりも保温を重視しており、ダウンや化繊などの中のレイヤリングを考慮しているタイプのものが多いと思われます。なので、登山やクライミングなどアクティブに動く場合は基本、強度・防水・そして透湿性を考えて、3層構造のシェルが良いと思います。ただ、メッシュの2.5層でもよいですが、パックライトなどの2層は軽くて経済的です。

 

防水透湿素材の良し悪し

ゴアテックスロゴ ドライQロゴ イーベントQロゴ
レインならともかく、雪を想定したハードシェルならば、防水性よりも透湿性を重視してよいと思います。ドライQイーベント、あるいはゴアテックスアクティブシェルなどのジャケットは、快適です。

 

ハードシェルに伸縮性は必要か?

最近は伸縮素材のハードシェルが出てきました。私も何度か使ったことがありますが、動きは確かによいです。快適性(疲れにくさ)をもとめるなら、伸縮素材を採用したジャケットのほうが上だとおもいます。ただし、数年たつと、磨耗する部分などに亀裂が入ってきたりする可能性もありますので、十分に注意が必要です。この点が改良されればなお良しですが。

 

重ね着考慮ならサイズは大きめ

ジャケットのサイズはやや大きくてOKです。袖も少々長いくらいがちょうどいいでしょう。
重ね着をしたときに十分動きやすいように選んでください。ハードの下からフリースが出てしまう、なんてことがないように!

 

シェルの裏地がなめらかなほうが絶対良い

これはけっこう重要です。
ジャケットやとくにパンツ(ズボン)の裏地が滑らかな素材でないと、内側の衣服との摩擦が大きくなり、動きやすさが損なわれます。
脚上げなどで抵抗があっては、いくら伸縮素材だとしても、疲れやすくなります。そういう意味でも2.5層などのメッシュ素材は同なのかと思うこともあります。
ハードシェルの選び方

じつは撥水性が重要

冒頭に「撥水ではダメ」と書いておきながらですが、ハードシェルこそ撥水あってのハードシェルなのです。
撥水が効かなくなったベタベタのレインなどをお持ちの方もいると思います。表面生地が水を吸い込んだ状態。
こうなっては、いくらゴアテックスだろうがドライQだろうが、そこから外に蒸気がぬけていけません。撥水力、これはけっこう重要です。
ということは、メンテナンスもしっかり撥水処理したほうが良いということが言えますね!
参考サイト:防水透湿性生地の透湿性能比較実験
こちらのサイトでは、「撥水性が失われて表地が水浸しになった状態のゴアテックスウエアを着て、それでもまだ透湿していると実感できるケースはない」という意見です(同感)
最近は、ほとんどのジャケットはナイロン生地に撥水処理が施されているので、どこのブランドも問題はないかとおもいます。あとは、ザラつき加減でしょうか。レインのようにツルツルしてたほうが撥水はしますが、雪山など滑ってはならぬ状況を選択する場合は、生地にざらつきがあったほうが有利でしょう。

 

ジャケットについているスカート(裏地の防雪帯)は必要?不用?

使う場所にもよりますが、ハーネスを着けない状況では便利かもしれません。
私は基本なしです。スカートがついているぶんかさばりますし、ザックのウェストベルトを締めればそれほど問題ではないでしょう。

 

ジッパーについて

最近はほとんどが止水ジッパーになっています。なので、ジッパーが表にあらわになっているデザインが多いです。選ぶときは、このジッパーが硬いものはなるべく避けましょう。使いにくいです。片手でジッパーが下ろせるものが快適です。
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