山の歩き方|膝が痛い・足が痛いなら裸足の原点にもどる
一時期裸足で走る「裸足ランニング」というものが注目されました。山を登っていると、厚底の登山靴を履きなれてしまっていてそのクッション性に頼りきった歩き方をしている人を多々見かけます。歩き方の効率が悪いと、膝の痛み、かかとの痛み、足の故障などが起きる原因になります。アーチが崩れ、偏平足だったり、甲高であったりで、痛みを避けるために、またさらにクッションの良いシューズやサポーターに頼る、という悪循環が繰り返されます。一次的な対策としては必要でしょうが、一番大事なのは、歩き方の改善です。
いつまでたっても歩き方が上達しない
登山では確かに重い荷物を背負うことや、様々な地形の変化、長時間歩行などのため、靴底の硬い靴、ハイカットの登山靴が必要になります。しかし、そもそも、普段の歩き方が悪いのに気づかずに、さらに足裏感覚の少ない登山靴を履いて歩けば、ドタドタ歩くのは目に見えています。
そうなってくると、足のアーチも崩れ、かかとが痛いばかりでなく、膝や腰が痛くなります。そのため、さらにクッションやサポーターに頼るというのが今の多くの登山者ではないでしょうか?もちろん、サポートも必要です(記事にしていますが)しかし、そもそもの歩き方を意識しない限り、歩きの技術、つまり無駄なく膝や腰にも負荷なく歩けるようには、いつまでたってもなりませんよ。
10年歩こうが、20年歩こうが、あいかわらずドタドタ歩く人もいるのです。
足裏やかかとの痛みや膝の痛み
膝や足裏が痛いという人は、たいてい歩き方を疑ったほうがいいです。それ抜きにして、何を塗ろうが巻こうが飲もうが山に行けばまた痛くなります。
なので歩き方・走り方から徐々に慣らしていくこともとても大事だと思います。
裸足に近い状態で歩くということは、振動や負荷が足にダイレクトに響きます。なので、膝や足首を痛めやすい、と安易に考えがちなものです。しかし、人間の本来の本能的な環境対応能力は高いのです。必然的に歩き方・走り方が変わります。
かかと着地からつま先着地になります。
足首へのフォロー、それにともなった筋肉が補強することでしょう。バランス、足の出し方、蹴り方など変化が見られると思います。
足裏の筋肉、アーチ、偏平足
足裏の筋肉が弱い人、アーチがない人、偏平足な人、あるいは甲高の人、こういった人は弱点であるため常に歩きに問題がある場合が多いようです。
そのためにサポートする道具を使うのですが、そもそもの対策にはならない部分もあります。それよりもむしろ、その弱点をいい機会ととらえて、足裏感覚、歩くバランスを整える、改善することが秀でるチャンスです。
無駄のない、負荷のない歩き方、走り方を練習しよう
歩き方を覚えるには、フリークライミングをするのがいいのですが…。
一見、アクロバティック、あるいは腕力を使うように見えるクライミングですが、実は、足の使い方が研ぎ澄まされていないとどうにもならないスポーツなのです。
クライミングを学べば、足裏感覚や重心、バランス、動きなどが見えてきます。
しかし、クライミング以外でも歩き方や走り方のコツはつかめます。
登山においては、やはりどうしても靴底が厚く、硬いために、足先というよりは、足裏全体で歩くこともあり、なかなか歩き方が上達しにくいものです。
そこで、推奨したいのは、靴底の薄い、クッション性の低いトレイルランニングシューズで普段の練習をしてみるということです。
最良は裸足がベストですが、今の世の中、なかなかそうもいかないでしょう。
なので、以下に示すようなトレイルランニングシューズを使えば、接地面や足裏からの荷重、振動がダイレクトに伝わって感覚を察知できるようになります。
大事なのは意識すること
ただ素足感覚のシューズをはいていても、おそらく、膝や弱い部分をかばうために、歩き方が自然についてきますが、より早く実現するためには、意識することが重要です。通勤でも散歩でもなんでもかまいませんが、歩いて(走って)いるときに、しっかりと足のことに意識を集中させましょう。どんな着地をしているか、バランス、体の振り、重心などを意識しましょう。
素足感覚が冴えるトレランシューズ・ランニングシューズ
裸足で走っているような感覚のシューズっていうのでは、ビブラム社のベアフットという5本指シューズが有名です。
ですが、ちょっとルックスに難があるせいもあり、どこでもだれにでもオススメではないです。
では、これに類するシューズとは、どんなシューズがよいのかというと、以下のような条件になります。
薄くてクッション性がない
インソールがついていない
素足で履くので通気性がバツグン
とにかく軽い
これを満たしているジョギングシューズ、トレイルランニングシューズはメーカーからいくつかあるようですので探してみてください。
私の使っているシューズを紹介します。
ニューバランス ミニマスMT10(メンズ)WT10(レディース)
もうこれは、元祖素足シューズといっていいでしょう。すごくフィット感もよく、フリクションもいいです。ソールが独特なパターンですが、このシンプルなソールパターンがフリクションを高め、アスファルトやコンクリ、岩場でもしっかりホールドしてくれます。170g軽量!
メレル トレイルグローブ
上のミニマスと同じ170gという軽量な素足シューズ。フィット感がよく、メレルらしい足型デザイン。つま先を蹴り込んだときの抜けが少なく、ロスがないようなソールパターン。
パタゴニア エバーモア
かかと部が若干クッション性があるので走り慣れていない人でも入門として使えるが、基本は長距離ランに対応した軽量モデル。素足ではける。すでに販売はなく、エバーロングが後継シューズです。
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INOV8(イノベイト) トレイルロック150
イノベイトはランシューズの最先端を行くブランドで、中でもZEROシリーズが薄くて軽量で良い。
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