毎年多くの人が登る富士山。山はやらなくても登りたい、富士登山はやってみたい、という人は後を絶ちません。山小屋にも泊まったことが無く、登山の装備や服装すらままならない、そんな方も多いかもしれません。現在情報やウェア・登山靴といったレンタル店の出現などで、登山スタイルもかなりよくなってはいますが、実際に富士山を登ったときに気をつけたいことをまとめてみたいと思います。
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これは登山者の心理として、早く登頂したいという焦りと、体力がまだあるのでつい後半のことを考えずに先走ってしまうということがあります。
はじめは、まったく息が切れないペースで登ることを意識しましょう。こう書いておいても、いざ現場にいったら、すっかり忘れてしまうものです。
これは歩き方の注意点です。富士山はほとんどが小石や砂のザレた登山道です。通常、登るときは、後ろ足でも蹴るように歩けばよいのでしょうが、これをやってしまうと、後ろ足が「ズルッ!」となってしまうでしょう。これを何万歩と繰り返すうちに、消耗してしまいます。なので、難波歩き。つまり、出した右足(左足)にいったん全体重を乗せましょう!ほとんどの人は体重を乗せる前に次の一歩を出そうとします。すると、ズルッっとなるわけです。
そう、歩き方で体力を抑える作戦です。
山のトイレポイントは限られています。あるからといって安心してはいけません。日の出直前や直後の富士山頂のトイレに、何mのトイレ待ち渋滞ができているのか知っていますか? 混んでいないトイレは少し下のほうです。休憩する場所やトイレに行くタイミングなど、あらかじめ計画的に行動しましょう。
ご来光登山をしようと考えているなら、十分な時間と防寒具を用意しましょう。7月ピーク期の頂上付近は、人の数と登山道の幅が合ってません。つまり、ひどい渋滞を引き起こして、頂上へ着く前に日が昇ってしまったりします。トイレの渋滞なども考えたら、予想以上に時間がかかるのです。
そして、時間に余裕を持って上がってしまうと、日本で最も寒い場所で、最も寒い時間帯を、じっとして過ごすことになるのです。
登山の行動中の服装よりも、むしろ待機しているときの防寒具をしっかりと用意しましょう。ダウンジャケットや手袋や耳あて、ニット帽子などはもちろんですが、防風シェルも万全に!
山では喉が渇きます。こと富士山の登山の場合は、高山病も考慮する必要があり、その対策として、水分補給が要求されます。しかし、高山病などで動けなくなった場合、登山による発汗などで体温が下がっています。そんなときには、低体温症にも気を使わねばなりません。冷たい飲み物だけではなく保温ポットに暖かい飲み物を入れてもっていきましょう。軽量なステンレスボトルはどこにでも手に入ります。
山小屋でも分けてもらえます。
これも経験上わかるのですが、体力が無い場合(心臓ポンプが強くない)、膝の予防などでサポートタイツを履いていると、血管を締め付けていて、酸素供給がまにあわなくなり、足が上がらない&苦しい、という事象があります。もし、なんだか苦しくて動けない、スピードがいっきに落ちたという人がいたら、サポートタイツなどを脱いでみてください。随分と楽になるかもしれません。
膝が悪いなら、下山にサポーターなどをつけることをオススメします。
これは当たり前ですね。リュックが防水だとしても、中身をさらに防水パックやビニールなどにいれて、完全防水状態にしましょう。
雨が降らなくても、濃霧でびっしょりということもあるのです。
下山が最も危険です。たいていの初心者の方は、登ってきたときのままで下山します。
下山するときには、まず、靴紐を上までしっかりと締めなおすことです。それもつま先が当たらないようにしっかりと。
そしてストックを長くしましょう。長すぎるくらいでOKです。
膝のダメージのため、サポーターやテーピングも使いましょう
最近は少なくなりましたが、下山場所を間違えてしまったというケースをよく目にしました。他の登山者の流れのままに歩いていったら、見覚えの無い登山口だった、という話。分岐には現在しっかりと道しるべがありますので、確認します。下山では疲れて消耗しているため、意識が散漫になりやすいのです。
下山していたら頭痛が始まったということはよくあります。高山病は頂上についたらすぐに出るわけではなく、時間差でやってきます。頭痛のほかに、吐き気やめまいなど。持病や虫歯が痛くなったりもします。症状が悪化すると、視界が急に暗くなったりしますので、そうなる前に、早めに下山することをおすすめします。軽い高山病は、基本的に下山したら治ります。
高山病かなとおもったら、水分補給と保温、エネルギー(糖分)、そして下山です。
富士山から降りてきたら、おそらく皆さん温泉かお風呂に入ることでしょう。そしてビール!?
感動の下山とともにまずやっておくのは、体のストレッチ(柔軟体操)です。体にいきなり負荷をかけたのですから、かなり筋肉や腱などの細胞が破壊されています。翌日の体を思って、しっかりと時間をかけてもストレッチをして体力を回復させましょう。お風呂上がりにストレッチを再度するととても効果的です。