単独登山に警鐘が鳴らされています。
一方でソロ登山者も増えています。
ソロ登山は危険なのか?やめたほうがいいのか?個人的に思うこと
ソロ、単独登山をやったことがない、やらない、という場合、私は、そのソロをやったことがない人がたとえ30年の登山歴をもっていたとしても、ベテランとはいえない気がします。(また、そういう人は基本的にいないと思います)
おそらく山ヤさんと呼ばれる人たちは、ソロ指向が強いものだと思っています。山に対する行動・思い・意識などが高いものであるからです。
あるいは、私のように、人と群れて何かをするというのを好まないため、一人で行動するということが必然になるのかもしれません。
そして、岩や雪・沢といった厳しい世界、ロープをつなぐ世界の場合、パートナー、パーティを組むしか安全性が確保できないため、仕方なくそうするというのが本音なのかもしれません。
といっても、そのような厳しいところをソロすることを薦めているのではないです。
そもそも、ソロ=危険と一般論的に定義づけしているのは事故結果だけをみて結論付けたのもだと思います。
誰でも失敗をします。その失敗からしか学べないことがたくさんあります。
私は、どんなスタイルからでも登山をはじめていいと思っています。
たとえば、山には順序があるからまずは奥多摩だとか、そんなことはナンセンスだと思っています。
生まれて初めて(連れられて)登った山が、厳しい山だっていいのです。
心の琴線に触れた衝撃は、多くの山を登ったあとの登頂などよりは桁違いに衝撃的なものがあるかもしれません。そこから登山の世界が広がるかもしれません。
(だからといって無謀にもレベル違いな所に果敢に挑めとはいいません)
ナイフが危険だからといって、子供に持たせないよりは、小さな頃から小刀で鉛筆でも削らせておいたほうがよっぽど利口になるんじゃないかと思うわけです。
そして、指を切るくらいの経験はまた、それ以上の失敗をしないためにも必要ともいえるかもしれません。
そういう意味では、単独登山に関しては、比較的初期の頃から始めると学ぶクセが付きやすく、自然に対する洞察がよく生まれるのではないかなと思います。
といっても、単独ならなんでもいい、ということでもないですので、ちょっと気をつけたほうがいい点などを参考のために記述したいと思います。
怖がりなことほど運がいいことはないんじゃないでしょうか? 絶壁をみて足がすくまないとか、ボロボロの岩斜面をみて落石をイメージできないのは、登山に向いていないかもしれません(命を落としますよ)
それらは、事故に遭う以前に、経験則から理解できることでしょう。
ただし、「恐怖心」は現実を大げさにみたてて身動きを取れなくしてしまうものです。
実際の事象を冷静に見てから、何が危険なのかを判断するということを意図できれば優良です。
とくに単独の人は、ガンガン歩いていきます。
それは、単独なら当然なわけです。
記録をつくっているわけでもなく、気を散らさずに行動しているからだと思います。
あるいは、なんとくな、「先」へ行きたいというのもあります。
はやく頂上に着きたい、はやく下山してゆっくりしたい・・・
それは、「はやく安堵したい」気持ちかもしれません。
または、日常常習化された「焦り」なのかもしれません。
ガンガン登って、ガンンガン降りている人は、もしかしたら見る余裕すらないのかもしれません。
単独のときは、だいたい60%くらいの体力を使うような気持ちで行動したほうが、細部に気が行き届きます。
そのおかげで、道に迷ったらすぐに気づき、いきなり頭上の枝に頭をぶつける!などということも少なくなりますよ(笑
アルプス方面など営業小屋が無数にあって、人が多いエリアではなく、低山でもどこでもいいので、オフシーズンなどにテント泊の縦走をするのはとても単独登山としてよい経験になると思います。
「衣・食・住」の要素があるので、食料計画や行動、水、寒さ、ルート、テン場などのことを考え行動することになります。いってみればミニサバイバルを体験できるチャンスです。
なにごとも準備は必要です。しかし、初期の登山者にありがちな、心配なので(あるいは便利なので)何でもかんでも持ってきて、装備がずっしりと重く肩に食い込み苦しみながら登る、というパターン。
その場合、見直す必要があるのは、自分の生活態度です。
すべてが便利に包まれた生活が身にしみていて、無いと不安になるわけです。
無ければ作ればいい、無いなりに工夫してみる、無くても構わない
こういう態度を身につけていくことも意識しておきたいものです。
とかく、ソロで歩いていると、不安になりがちです。それは大切なことで、身を守るためのものでもありますが、だからといって、常に他人頼みでは、いつまでたってもソロが上達しません。他人から学んで自分で判断して行動する、というのが必要かと思います。
分からなければ人に聞く、これも必要ですが、まず自分で考える、という態度が先ではないでしょうか。
お断りしておきますが、単独登山に対する見解についての一切の責任を負いかねますので、ソロでいく場合はあくまで自己責任ということをご認識ください。誰にもソロ登山を推奨するつもりはなく、この手の記事への是非的な意見や批判など一切受け付けていません。