重要度が高まる登山中のヘルメット|その選び方を教えます

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ここ数年で、登山者のヘルメット利用が増えてきました。登山者自体に安全意識が芽生えたこともありますが、県警や山小屋・遭難対策協会などが推奨してきたこともあります。北アルプスの槍・穂高連山や剱岳付近、後立山縦走路などでは危険な岩場が多く、ヘルメット姿の登山者も多いです。ということで、今回は、登山(バリエーション含む)で使えるおすすめするヘルメットの選び方を紹介します
ヘルメットちょこっとコラムを追記しました


重くてうっとうしい!から、軽くて快適なヘルメットへ

ヘルメットといえば、だいたい「安全第一」マークのついたあのツバ付のヘルメットほど量産されているものはないでしょう。私も、東京消防庁から支給された、ボランティアヘルメットを持っています(使ったことはありませんが)
こと、登山においては、ヘルメットはなんでも良い、というのは一昔前の話でした。
現在は、ものすごくいいヘルメットがたくさん出回っています。

 

選ぶ動機は「かわいい」とか「かっこいい」とかであっても良いと思います。ただし以下の点に気をつけて選びましょう

 

登山用ヘルメットの選び方の極意

軽くなったヘルメット|軽いからいいってもんじゃない

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以前は重いというイメージがあったヘルメットも現在はポリカーボネイトやポリスチレンといった軽量で強度のある素材でできています。
クライミングでは、さすがにフリーでヘルメットつけている人はまだ少ない気がしますが、こと、クラックや本ちゃんといわれる岩場ではほぼ着用しています。ヘルメットはクライミングのパフォーマンスにも影響を及ぼしますので、軽くて視界を妨げないようなものが最適です。とくに重さは重要で、ビレー時など上を向く動作の多い場合、重ければ長時間つけていれば首が痛くなってしまいます。
では、登山で使う場合はどうでしょうか?

 

クライミングで使う場合と登山で使う場合の違い

当然、軽いというのはぜひとも欲しい条件です。
荷物のことにしても装備がこれ以上重くなってはつらいですからね。
しかし、それだけで選んではいけません。
登山中は雨具やジャケットを羽織って行動することも多いですが、フードをヘルメットの上からかぶることを想定しなければなりません。
つまり、ヘルメットが無骨で分厚い場合、フードをかぶるとジッパーが閉まらない、あるいは、フードが短くなって首を縮める方向に突っ張って首が痛くなる、あるいは、フードがしっかり前までかぶれずに、風で外れてしまう、ということが可能性として考えられるからです。

大事なのは着用感

人の頭の形も様々ですし、ヘルメットも様々ですから、いちど、ヘルメットをかぶってみましょう。できればそのときに、ご自信のジャケットやレインなどを羽織ってみて、フードをフル装着してみてください。(この場合ジャケットのデザイン自体に問題があるかもしれません)
登山では、つねに「歩いている時間」が快適でなければならないのです。
安易に軽さだけで選んでしまうと失敗してしまいます→(失敗したとはイエナイ…

 

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壊れやすいベルト回り

首のベルトやヘルメットとの接続部分のプラスチックが壊れるのを何度も見ています。構造がしっかりしていることを確認しておきましょう。万一壊れても、修理ができるもののほうが安心ではあります。

 

ヘルメットを被る理由はおもに二つです。

落石と滑落
滑落は、基本的に自身のミスによるもので、その万一のときに頭部を損傷することを防ぎます。長野県警の山岳レスキューの方々の話を聞きますと、ヘルメットを被っていたら命は助かっていたかもという事例が多くあるようです。
もうひとつは落石。こちらのほうが、登山者としては盲点となります。落石は自身のミスではなく(それもありますが)他者が落とすものや自然現象として起こるので、本当にどこで起こるか予想外な場合が多いです。
この場合、ヘルメットの強度や落石の規模・距離などにより大きく左右されます。

 

ヘルメットの安全効果

ヘルメットを持っているというだけで、なんとなく安心感がありますが、それを着用する行為により、より、自然への認識が変わってくることもあります。それだけでも着用する意義はあるでしょう。
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忘れてはいけない標準規格のUIAA

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ヘルメットはもともとクライミングや登攀用に開発されています。
そのため、その世界企画ともいえるUIAA(国際山岳連盟)の基準(耐久など)をクリアしているものを使用するというのが前提となります。ほぼ、メーカーから出ているものは、そのUIAAをクリアしているものですが、使用頻度や使用目的(クライミングのみ)など限定されているものもありますのですこし確認しておくといいでしょう。
たとえばBD(ブラックダイアモンド)にバイパーヘルメットという重さ186gという驚異的軽さのヘルメットがありますが、ロストアローのページには「落石の可能性の低いロッククライミング専用。登山やアイスクライミングには適しません。」とありますので、登山対象ではない(けっこう山で見受けられます)→ということは、安全面もそうですが、山岳保険などの保証の問題もでてくるかもしれません、という認識をしたほうがいいということです。

 

登山で使えるヘルメットを選ぶ基準(まとめ

着用してフィット感やストレスを感じない
フードなどを被って、支障がない
軽い
通気性(夏山メインだとこれも重要です。

その他、折りたたみ式のヘルメット(トランゴ)やポリカーボネイトのコーティングがない軽量モデル(ペツル)などもありますので参考にしてください。

 

ヘルメットちょこっとコラム

ヘルメット用帽子・キャップ
ヘルメットの中が蒸れるし、かゆくならないために!
登山中のヘルメットでもっとも気になるのが、頭の蒸れです。地下にかぶると頭がかゆくなってきたりします。そこで、おすすめなのは、ヘルメット用にアンダーキャップをかぶることです。通常のキャップでもよいのですが、アンダーキャップのようなビーニーなら、素材も通気性もよいのでおすすめです。
いつもパタゴニアのキャプリーンビーニー使っているのですが、こんなもの見つけましたので買ってみました。こちらもアマゾンですが、クールマックス素材でなかなか良いです。深かぶりと浅かぶりがあります。浅いほうが涼しいですが、深いと、強風時や眼まで隠せて眠る時も使えます。

 

最新ヘルメットを販売しているブランド・メーカー

ペツルシャルレ
シロッコ

 

メテオ

 

クライミングギア専門のブランドだけに、斬新で軽量なヘルメットをデザインしている。クライマーにはなくてはならないブランド

 

マムート
ロックライダー

 

スカイウォーカー2

 

機能性とかっこ良さではマムートがイチオシ。使い勝手もヨーロッパの最先端をいくものがある。フィットさえあえばGOOD

 

ブラックダイヤモンド
ベクター

 

ハーフドーム

 

アメリカのクライミングブランドで比較的安価でフィットも安心。モノはすごく良い。

 

グリベル
ステルス
サラマンダー
ヘルメットをカッコイイと思わせたのはグリベルが筆頭。目立つし機能的で奇抜なデザインは人気が高い

 

モンベル
LWアルパインヘルメット
お手軽なモンベルのヘルメット!モノは良し!

 

ワイルドカントリー
フォーカス
クライミングギアの老舗。ヘルメットも優れたものをラインナップ。モンベルが取り扱い

 

CAMP
ロックスター

 

アーマー
こちらも老舗のギアメーカー。モノは間違いない。クラシックなモデルから、最新の軽量モデルまで揃う。

 

KONG
マウス
取り扱い店舗も少なくまだそれほど知られていないかもしれないが、イタリアの有名ブランドのヘルメットはなかなか!

 

などなど他にもいくつかのメーカーからヘルメットが発売されています。
※御嶽山噴火により需要が増えすぎて品切れもあるようです。