山用のヘッドライト|明るいだけではダメなのだ

ヘッドライトのおすすめと選び方、種類

LEDライトがもっとも先に普及したのがヘッドライトではなかったでしょうか?
従来の電球やクリプトン球ではなしえなかった省電力・高照度のライトが登場しました。昔はヘッドライトを付けたままにしてると、こら!早く消せ!と怒られたものです。今は登山ブランドのみならず、あらゆるメーカーから長時間に耐えるLEDのヘッドライトが出回っています。そして高照度化が進み、ものすごく明るくなっています。でも明るいだけが優れたヘッドライトではありません。登山用のヘッドライトはどんなものがよいのか? 種類が多くて分かりにくいという方に、その選び方を紹介します。


正しいヘッドライトの選び方

売れているヘッドライト(ヘッドランプ)をみていましても、どうも高照度というものが人気があるようです。
最近は1000ルーメンを超えるようなシロモノまであります。もう車のライトのような感じですね。
これら高照度ブームは一般的なのですが、登山用ともなると、ちょっと視点が違います。

 

超高照度時代

いまや100ルーメンなんてあたりまえ、200ルーメンですらすごく明るいとはいえず(比較で)、500ルーメン、1000ルーメン、なかには数千ルーメンなんていうLEDヘッドライトが出回っています。
どんだけ明るいんだか…
確かに暗闇で明るければ、それだけ安心感もうまれ、気持ちに余裕ができますよね。

高照度ライトの盲点

それはいいんですけど、ちょっと考えてください。
山とはいえ、他の登山者もいます。
山小屋でトイレにいくのに1000ルーメンの光で照らされた日には…目つぶし攻撃ですよね。
※意識しない人って、かならずヘッドライトで人の顔を照射しませんか?たいてい山小屋の夜のトイレでそんなオジサンオバサンがよくいたりします(笑
テントでも同じで、夜にテントが高照度で照らされたら気持ちがいいとはおもえません。
さらに、視界が10mもないようなガスの中ではどうでしょうか?
いくら300m先が見通せるというハイパワーライトがあったとしても、、、見えるのは10m先の白いモヤモヤです(笑

 

さて、そんなわけで、少なくとも、日本の山では明るさのみに走る必要もないのではないのかな、と思えてなりません。

 

山で使うヘッドライトの条件

高照度であることに越したことはないのですが、その前に、登山装備としてのヘッドライトの条件を私なりにつけてみました。
登山用のヘッドランプは、たとえ小屋泊まりや日帰りでも必ず万一のために持ち歩くという装備です。万一にも役に立つ条件が必要ということです。

ヘッドライト自体が軽量でシンプル

いまさらですが必須条件です。常に登山中に使うかというと、基本的にあまり使わないというほうが多いかもしれません。もっとも夜間の行動を前提としているなら別ですが。

ベルトが細いものはアウト

軽量化のためといって、ヘッドバンドが細いものがあります。これは、ちょっと使い続けるとわかるのですが、装着が不安定です。そして、数年たちますと、ゴムバンドなので必ずヨレてきます。不安定なのでゴムをしっかり引っ張りますのでヨレも早いし、きつく頭を絞めて長時間歩行に適していません。
ヘッドライトのよれたバンドゴム
数年するとベルトゴムの劣化が目立つ

 

3本バンドはやめたほうがいい

ヘッドランプの中でも、とくに大容量・高照度のものは、バンドが頭頂部も含め3本で固定する式になっていることが多いですが、3本締めはイザというときにかなり使いにくいシロモノです。時間に余裕があればいいのですが、ヘルメットの装着⇒頭に直接セットなどの切り替えが時間がかかります。帽子などの下にもつけにくいです。(トレランなどのように固定を重視する場合は別です

バッテリーはライトと一体型が基本

高照度ヘッドライトはたいていバッテリーボックスが後頭部などに分離しています。この場合コードの配線がでてくるので、構造が複雑化して装着もわずらわしくなります。ザックの中に押し込んでいると、コードの接触不良などが起こり壊れることも経験しました。そうなると、ハードケースが必要となりよけいな荷物が増えてしまいます。

 

押しやすいボタン

スイッチが押しやすいヘッドライトを選ぶ
スイッチが小さいと、行動中にスイッチON・OFFの切り替えがスムーズでなくてはなりません。とくにグローブをつけたままでも操作可能かというのも大きいですね。これは経験上ですが、スイッチは上についていたほうが操作性は良いです(左右より)。そして、ダイヤル式のスイッチは接触面を擦るし、壊れやすいと思いますね。

 

バッテリーと乾電池

最近はリチウムイオン系のバッテリーを使用したライトが増えてきました。まだまだ乾電池式のほうが多いですが、高照度化させるには乾電池では限界があるのです。山では乾電池なら山小屋などですぐ手に入ります。なので、乾電池式がよい・・・と言いたい所ですが、
バッテリー式をこれからはおすすめします。
なぜか?それは、容量・高照度はもちろんですが、乾電池では、充電できないために、残り少ない電力も見越して予備のバッテリーが必要になります。しかし、充電式ならフル充電しておけば、そもそも予備が必要なくなります(泊数による)。つまり、結局は軽量化できます。
(※単四電池をニッケル水素充電池などにするという手もあります)
たとえば、ペツルのティカR+、ティカRXP、NAO、といった最新もでるは、USBによる充電が可能でスマホ用の予備バッテリーなどと電力を共有できますし、ティカR+(ティカRXP、NAOも)なら、乾電池も使えるようになっています。
もうお分かりですね。おそらく今後はヘッドライトは充電式バッテリーの高照度化が進むのは間違いありません。

 

ヘッドライトの防水性

基本防水性がよいです。浸水することはまず無いと思いますが、バッテリーや乾電池は湿気を嫌います。濡れたまましばらく放置しておくと、電池から液漏れを起こしてしまいます。

 

ザックの中でスイッチがはいってしまう・キズつく

これは稀ですがあります。荷物を開いたらライトが点灯していたという経験はけっこうあるかもしれません。ケースやパッキングに気を使いつつ、収納するしかないのですが、中には、ボタンのロック機能などがついているヘッドライトもあります。
それからキズがつきやすい形状だと、次第に照度が落ちてきます。
キズだらけのヘッドライトは照度が落ちてくる
キズだらけのヘッドライトは照度が落ちてくる

 

非専門ブランドのチャチなヘッドライト

メジャーなメーカーじゃないものを持ってきて、壊れたり、使いにくかったり、暗かったり、そんなヘッドライトを持っている方をよく見かけます。安かろう⇒悪かろうはヘッドライトでは通用しそうですよ。

 

ライトの種類

ライトには広範囲を照らす電球と、遠くまでピンポイントで照らす照射電球があります。たいていはこの二つを兼ね備えたモデルが主流ですが、

@ハイカー向けには、60〜80ルーメン前後の軽量なライト型
A通常の登山や早朝や万一の夜間行動を想定した100〜150ルーメン程度のスタンダード型
B初めから夜間行動するときやルートファインディングを重要視するランや大会などアスリートむけのハイスペック高照度モデル

大きく3つに分けてよいと思います。

タイプにあったヘッドライトを探す!

@タイプ

日帰り登山、ハイキングの予備装備。山小屋泊の登山・トレッキング。グループ登山の初級者。リーダーではない。

ブラックダイヤモンド ギズモ /初心者には最も無難なモデル。価格も手ごろ。最新式には、現在の照度と最大照度をタップで切替できるパワータップセンサーを搭載。残量メーターもあり。充電式のリボルトもあるが、ニッケル水素電池で電力も弱いので次の開発を期待。

 


ブラックダイヤモンド アイオン /わずか48gという超ウルトラ軽量ライト。単4電池2本でも80ルーメンを実現。低照度で200時間の電池寿命と照射距離38mという性能。とりあえずリュックに入れておくには最適!

 


ペツル ティカ/ペツルのヘッドライトの元祖?! 85gと軽量だが、固定力も作りもしっかりしている。80ルーメンでリチウム電池も使用可能。

 


モンベル コンパクトヘッドランプ/使えるヘッドライトとしてはコレがギリギリ?! ただ軽さが72gでハイカーの予備としては十分。照射距離も26m

 


マムート T-PEAK /60ルーメンで72gの軽量ライト。角度調整が本体前部にあるため、片手で調節しやすい。ただ値段が比較的高価。

 

Aタイプ

テント泊登山、グループのリーダーまたは先頭を歩く人、アルプスなど岩稜を通過する、未明・夜間行動を予定している

ブラックダイヤモンド リボルト スポットに次ぐ最新モデルの多機能ヘッドライト。USB充電が可能になっただけでなく、電池内に水が浸水しても点灯するという理想的なヘッドライト。

 


ブラックダイヤモンド スポット /スポットが新しくなりました。フォルムもボックスタイプに変更。明るさも200ルーメン。防水性もUPしています。これで88g!私も使っています!

最新スポットの特徴
最新のスポット(3個目…)を手にして、かなり改良が加わりました。
ボックス型になったのはちょっと残念ですが、デザイン以外すべてよくなっています。まず明るさ。そして、軽量化。それにくわえ、スイッチにロック機能がつきました。これでザックのなかで点灯…というトラブルもなし。そして、おもしろいのが、右側の側面を軽くポン!っと指で叩くと、高照度と低照度が切り替わります。スイッチないんですけど、けっこう画期的かもしれません。縦揺れには反応しないので、歩く衝撃ではきりかわりません。ほか、赤いREDランプ、バッテリー残量、点滅機能など藻織り沢山でかなり山でつかえます。

 


SUNIX ハイパワーヘッドライト/アマゾンで発見。2000mAhのリチウム充電池内臓でマイクロUSBによる充電が可能。ストロボモードなども搭載し、これで防滴性もあるコスパに優れたヘッドライト。照度時間がすこし短い

 


ペツル ティカRXP/NAOと同様の自動照度調節を備えたハイテクライト。バンドが後頭部で二つに分かれたフィットデザイン。215ルーメンと申し分ない照度。

 


ペツル ティカ+/軽量で多機能なヘッドライト。一定の光量持続する設計。大光量のブーストモードも搭載。110ルーメン(ブーストモード140ルーメン)

 


レッドレンサー(LED LENSER) SEO3 /マグライトの本格メーカーのヘッドライト。90ルーメンで96gと軽量。面白いのが、バンドにカラビナフックがついている。またスイッチの誤作動を防ぐロックがついているのも良い。デザインもなかなか!180ルーメンのSEO5もある。

 

 

Bタイプ

夜行登山、トレラン、ウルトラマラソン、救助捜索、ルートファインディングが必要なルート、初めて歩くエリア

ペツル NAO/照射距離などにあわせ照度が自動で切り替わるハイテクライト。ソフトウェアをダウンロードして使用。USBケーブルより充電。誤作動を防ぐロック機能。斬新なベルトデザイン。最大575ルーメン。など、どれも新しいハイエンドなヘッドライト。

 


レッドレンサー(LED LENSER) SEO7 /マグライトメーカーが本気でつくったヘッドライト。充電式でUSBで充電可能。光センサーで自動的に明るさを調節。93gという軽さを実現して、明るさ220ルーメン。カラビナフック、スイッチロックなど機能的。

 

高照度も使ってます!レッドレンサーMH10
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夜間行動が必須の場合はあらかじめ高照度でかつハイクオリティのMH10もおすすめです。バンドのフィット感と充電式バッテリーも最新機能。
ドイツ生まれのアウトドア&プロユース高品質ライト【レッドレンザー】