登山の食料事情も様変わりしてきました。山でたべるご飯としてより味・鮮度などにこだわった食事から、さらなる軽量化や簡素化されたアスリート行動食まで、たくさんあります。
ここでは、初心者の登山者向けに、食料をどう考えるかを提案してみます。
基本、日帰り、もしくは縦走などの持ち歩く食料・行動食です。
登山をはじめたばかりの頃は、その中で最も重要だったことの一つは、お弁当を食べることでした。
山頂でお弁当を広げて食べることは、なんともいえない楽しみの一つであろうと思います。確かに、高尾山に登って、行動食がカロリーメイトだったら悲しいかもしれませんね(笑
しかし、登山がだんだんエスカレートしてくれば、その認識は変化してきます。
山はきついので、その恩返し的な部分でお弁当の開放を味わうというのが初期の登山ではあります。
それが、山に魅了され、目的が生まれると、食事は主役ではなく、補足となってくるのかもしれません。
山では、自然の流れをまともに受けますので、それにあわせなければなりません。
そういう観点からいうと、よりハイレベルな登山になればなるほど、お弁当から行動食となっていきます。
行動食というのは、登山歩行中に食べる食料ということですが、条件があります。
火を通さずに、短時間で食べられる
つまり、時短ということが基本的な原則となります。
ちょっとした休憩時間でも素早く食べられるものが行動食の原則です。
行動食の理想はどんなものがいいのでしょうか?
時短のほかに考えたいのは、
軽量でかさばらないものあること
食料が大きすぎるのは問題です。
たくさんたべてもエネルギーに成らないものは実用不適です。
カロリーについては、はじめのうちはカロリー計算などしても良いと思いますが、シビアな登山でなければ、適当でよいでしょう。問題は慣れですね。
全部砂糖だけでは、長時間の歩行では体調に支障がきたします。一つで全栄養を賄えませんので、組み合わせを考えて持っていきます。
せっかくの行動食も、体調不良時などで食べたくなくなったりします。そんなときでも食べられるような行動食がいいでしょう。水分が多いものほど、食べやすいのは確かです。
パサパサな行動食によって、喉が渇いてしまうのはよくありません。また、塩分が高すぎるものや甘すぎるものは気をつけましょう。不要に喉がかわいてしまいます。
ポケットに入れておけるようなものがあると、悪天候時などにリュックを降ろさなくても食べることができます。
上記のような理想の行動食は、なかなか矛盾するものがあります。
なので、いろんなものを小分けしてまとめておきます。
簡単なのは、ジップロックなどに1日食べる分だけをまとめます。
余計な包装などはすべて外しておきましょう。
例えば、チョコ、飴、クッキー、煎餅、パン、饅頭、ソーセージ、チーズ…
などといったものを、1日分の袋にまとめておきましょう。
はじめのうちは、心配なので、たくさん持ってきてしまうと思いますが、慣れてくれば自分の分量がわかってきます(慣れずに毎回持って行き過ぎる人もいます)。マメな人はカロリーで計るのもいいかもしれません。
さて、こんな意見もありだと思います。
私も、せっかく山に行くのに、食料がおいしくないのは残念だと思います。それに、すこしは余裕もあったほうがいいと思います
なので、山に応じて、自分の好きなもの(スタイル)を持っていくというのが、基本であっていいと思っています。
これは昼食を山小屋で取るということをベースにして、それに追加して少々行動食をもっていく、という贅沢パターン。軽量化もでき、暖かいものも食べられるので、縦走などで山小屋を活用するのは最適です。ただし、予期せぬこともあります。
ガスとコッヘルを持っていくと、インスタント系の食べ物はたいてい食べられます。荷物が重くなるのと、食べる場所に適切かどうかなどをわきまえていれば、暖かい食事をとることができ、快適です。節約&余裕のある若者向けにはベストかも。
保温ボトルにお湯を持っていけば、火を使わなくてもコーヒーやスープ、場合によってはカップラーメンを食べることも可能です。
体が温まるし元気がでるでしょう。これにプラスで行動食をもっていけば充実です。
これが最も多いパターンかもしれません。
シンプルで軽量化させたいときなどはこれに限ります。なるべく高カロリーで乾燥した日持ちする食料がベターでしょう。
ということで、おすすめ行動食の一部を紹介したいと思います。
基本ですね!行動食・非常食・高カロリー、そしてお酒のおつまみにもなる!
落花生が入っていると、中国産なので、それ以外のブレンドがいいです。
松の実やクコの実など入れてもいいでしょう。
これも基本
麦系のフレークの他、大豆系やドライフルーツなどをブレンドしたものなど品数も豊富。味も様々ですね。
通常、一袋が大きいので、これを必要量だけ小分けして持って生きます。私は面倒なのでジップロックに上記のナッツと混ぜて持っていったりしていますが、下山後に持ち帰ると、つぶれて粉々になってしまうのが難。なので、ナルゲンボトルなどのハードケースに入れてくる人も多いですね。オシャレだし。
ドライフルーツはミネラル分も含み、最適な行動食だと思います。
私は苦手なのでたべませんが…
チョコレートを糖分だと思っている人が圧倒的なのではないでしょうか?チョコレートには砂糖がたっぷり入っていますが、カカオ自体は脂質・たんぱく質とかでしょ? なので、エネルギー補給⇒チョコとはならないのではと思います。まぁそれはいいとして、チョコクランチのようなもののほうが食べやすいかなぁと思います。また、夏山ではチョコは溶けるので、ひとつひとつ包装されたもののほうが無難です
私はカステラ系の食べ物が大好物です。なので、よく持って行きますが、カステラはもっていきません(笑)。だって、軽くてスカスカなんですもの。
もっぱらドーナツ、マルボーロ、ドラヤキとかでしょうか。バームクーヘン、ワッフルなどコーヒーと合う物ならなんでもOKです
これも定番です。似たようなものでチーズかまぼこもありますね。
日持ちするので、常用行動食として使いやすいです。
家にいるときは食べたくないですが、山で食べるとなぜかおいしいです。
カルパスなどの一口サラミやビーフジャーキーがGOOD。しっかり調理派には太いサラミ。最近は皮をむかずに食べられるサラミというのも出ていましたので山では使いやすいと思います(プリマハム北海道十勝カルパス)
鮭トバなど魚のおつまみもいいですね
これもお湯さえあれば、楽しめますので、基本の行動食にいれていいでしょう。味噌汁などのほかにおかゆやおかずになるものもあります。フリーズドライでなくても粉系スープなどもいけますね。
これにハマると止められなくなります!
そして、ふと気がつくと、山にきて、おいしい空気とおいしい水と、体に悪いカップラーメン大量消費の実態が…。
大塚製薬とはいいませんが、この手のドライ食品は様々ですので、行動食にも非常食にもうってつけです。
私は、ちょっと食べ過ぎて、もうこれ以上たべたくない、くらいに飽きてしまいましたが。
チーズも標準行動食ですね。このチーズの箱がけっこうつぶれにくいので、これにチョコや冷蔵モノを混ぜると便利です(帰りにポイ)
糖分はたいてい問題ないのですが、塩分不足には警戒です。夏ばても塩分やミネラルが不足しがちでおきたりします。なので、塩モノはかならず持っていきましょう。ほっとしますよ!
すみません!行動食ではありません。目的地に到着してから飲んでください。ただ、最近はこういったエコパックのアルコールが出回ってきました。軽いしゴミも少なくてすみますし、登山にうってつけです。プラティパスから、ワイン用の水筒も売っていますね。
マシュマロは一見かさばりそうですけど、柔らかくて、つぶしてもさほどダメージがなく、いつ何時も食べやすい行動食です。いちどお試しあれ!
これをメインにいくつも持ってくる人がいます。それはNGです。
病気でもないのに、病人のような食事をしていては、いつまでたっても体が山に慣れない、とは思いませんか?
たしかに、アミノ酸を補給すると効果がありますが、薬と同じで、常用しすぎると、摂取量を増やさない限り、効きが悪くなると思います。予備的に1本入れておく程度です。水不足解消にもなしますし。
・・・思いついたら追記します・・・