バックパック・ザックの選び方アレコレ|自分に合った最良のリュック

ザックはウェア以上に選び方が難しいです。使いやすさ、背負いやすさ、疲れにくさ、軽さ、気に入ったデザイン・・・
なかなかすべてを叶えてくれるリュックやザックにめぐり合えません。
今回は、私が長年経験して得た、登山用のザックを選ぶポイントをご紹介します。

ザックは着るもの

ザックについては、もうアマタ登山本が出ていますので、いまさら説明するものも無いのかなぁとも思いますが、一応基本から。
まず、ザックは着るものです。
ウェアと一緒。背面のサイズやウエストの位置、肩パッドの厚さや位置、背中のフィット感など、その少しの違いによって疲れたり痛かったりします。
長いトレイルを歩く場合は、ザックが重しに
なり、疲労してくることを考えると、もうこれは、ウェア以上にサイズやフィットに気をつかわなくてはなりません。
まず、フィットです!これが大事。メーカーによって、ザックのベルトや背面が調節可能なもの、あるいは、S/M/Lとサイズ分けしてあるものもあります。
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軽量化がすすむザック

ザックの軽量化が進んでます。すこし前でしたら、40Lザックだと2kgくらいあるのが当たり前でしたけど、いまや、1kgを切るザックがでています。
KGが使っているザックの中では、グラナイトギアの59Lで900g台というのがあります。
お客さんにはとにかく、ザックは軽く!といっています。しかしそれが、すべての人に共通かといえば違います。
まず「軽い」ということは、背面のパネルなどの部分が割愛されていて、フニャフニャなザックの可能性もあります。
こういうタイプは、容量が30Lを超えてくるものに関しては、パッキングが難しくなります。当然背面フニャフニャなので、パッキングが悪いと荷物がよれたり、背中に荷物が当たって痛いということもあります。そして、生地が薄いので対応年数は減ってきます。メッシュやゴム素材を使用しているものが増えていますので、数年でヨレヨレということもありますね。
また、セルフレスキューという観点からはどうでしょう!?
ザックは、緊急時には、傷病者を背負ったり、緊急用のタンカーを造ったりするのに非常に役に立つのですが、軽量化されすぎたザックはちょっと使い物になりません。もしグループのリーダー的な人が使うザックであれば、ある程度パネルのしっかりしたようなものを選ぶべきでしょう
だってグループリーダーがナップサックで来たら、びびりませんか!?(笑

 

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フォルム

ザックの形はさまざまです。
まっすぐスラッと縦長のもの、バナナのようにカーブしたもの、左右に幅広いズングリタイプ、背面にも大型ポケットがあるような分厚いデザイン、反対に大きい割りに容量がすくないぺったんこなもの、、、
どれも一長一短ですが、長時間背負っても疲れないことと、重量のバランスが考えられてあるかをチェックしてみてください。
私はたいていスラットタイプを好んでしまいます。なるべく底部はすぼんでいて、上部が広めにとってあるようなものがバランスがいいと思います。荷物をいれたときにザックの重心が下のほうにくるようなものはNGですね。重心は上のほう&背中に近いほう、です。

3シーズン?4シーズン?

ザックにも夏用とか雪用とかあったりします。まぁ、たいていは、「トレッキング」「アルパイン」「バックカントリー」「バックパック」「テント縦走」などのように分かれていますが、発汗を良くするために背面を背中に付けないタイプのものは、あきらかに夏用です。雪山では使ってはダメです(寒いよ)。一つで通年通して登る予定であれば、
縦走用の大型は別として、アルパインザックがいいでしょう。ある程度軽量化されつつも機能的でシンプルなものが多いです。バックカントリー用は、スキーやスノボを担ぐために、丈夫で少々重くできていたりします。雪山いかないのであれば、トレッキング用でしょうか。

一気室か?それとも二気室?

二気室というのは、ザックが二層になっていて、下部にジッパーが付いていて、荷物が出しやすくされているタイプです。結構前に出回ってはやりましたが、今は少なくなっています。
なぜなのか?多分、軽量化の波に乗ってないからです。二気室にすることで、ジッパーやナイロンなどをよけいに使用するために、たいてい重くなっています。デメリットはそれだけではなく、パッキングが上達しません。逆にメリットといえば、荷物のバランスを楽に調節できます。そして、取出しがスムーズです。
通常、二気室は不用、と思っています。しかし、緊急時にファーストエイドやロープなどたいていザックの底に眠らせているものを、すぐさま取り出せるという意味では有りだともいえます。

 

雨ブタは必要!?

雨ブタがないタイプのザックはどうでしょう?
たいていサイズが20L前後のものが多いですが、30Lクラスでもありますね。ジッパー式になっていて、荷物はすぐに取り出しやすいですが、多くのものをいれるには小さいかとおもいます。
雨ブタは結構重要視しています。よく使うもの、つぶれたら困るもの、具体的には、サングラス・日焼け止めなど・行動食の一部・コーヒーポット・手袋・帽子などをいれます。
雨ブタがあると超便利♪ 歩きながらでもジッパーをあけて取り出せます(落とし注意)。

 

サイドポケット

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最近の人、たいていザックの両サイドのメッシュポケットなどに、ペットボトルなどを入れて行動しています。これ、バランス的に不安定で、しかも稜線など手を使うような岩場ではザックが傾いたりあたったりして落とします。すぐに飲めるようにしたいのなら、ハイドレーションか雨ブタに収納するのがベターです。
もちろんサイドポッケはあったほうが便利ですが、その分重くなります。

 

 

防水機能

ほとんどのザックはナイロンの裏地に簡易防水処理が施されています。あるていどの雨なら大丈夫ですが、縫い目までシーリングされていないものがほとんどで、背面からの防御は薄いものです。
なので、夏山ではザックカバーは必須になるわけですが、マックパックなどの一部のメーカーでは、完全防水を唱っているものがありますね。その分重さが増していますのが。
防水に関してはあまり考慮は必要ないかと思います。どのメーカーも大差ないということで。

 

ジッパーとバックル

ザックの開閉手段としてはおもに、ジッパーとバックルがあります。
バックルに関しては、メインパネル(雨ブタ)を1箇所で締める1本締めと2箇所で締める2本締めがあります。その他に、通常本体を絞るヒモと、さらにアイゼンはヘルメット・ウェアなどを間に挟めるようにバックルベルトが取り付けられたりしています。
正直あまりベルトやヒモが多いと、出し入れが大変なだけでなく、悪天候かでは時間もかかってしまいます。なるべくシンプルなほうがいいかと思います。
また、グラナイトギアなどのメーカーは、バックルやベルト自体をスリム化して軽量化していますが、グローブをする季節の使用を考えると、夏向きかな、とおもったりします。
バックルを使わないジッパーだけのザックもチラホラ見かけますね。コチラのほうは、強風によりベルトがバタバタしなかったりしてスッキリしています。ジッパーは同じく小さめなのでグローブをつけての使用が課題でしょうか。また、凍結などするシチュエーションでは開閉がロックしてしまうようなトラブルもあるかもしれません(少ないでしょうが)。

 

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ウエストベルト

これがしっかりしているかどうかは意外と重要です。荷物の重さにもよりますが、重くなればなるほど、腰で背負ったほうが楽です。
ウエストベルトが分厚ければ、腰の負荷も少なくすみます。たいていは、ザックの用量に応じて、ウエストベルトも厚さがきまってきますが、モノによって多少の違いはあります。
また、ブラックダイヤモンドやミレーなどの一部のザックにはウエストベルトが可動式になっていて、無理な力を逃がすような設計のものもあったりします。

 

用量はどのくらい必要?

ザックの用量ですが、以下目安です。
日帰り:15l−30l
1泊山小屋泊:30-40l前後
2−3泊(山小屋):30−40l前後
テント泊:60l以上
これは目安です。
幅があるのは、リーダーとなる人は当然ツエルトやロープが必要だったり、あるいはガスコンロを持っていくかどうかなどでも違いますね。
テント泊は60l以下に収めるには、けっこう上手にレイアウトする必要があります。
山小屋ベースでしたら、35l-40lくらいのザックがオールマイティに使えます。
体力が落ちている中高年の方には30L以下をオススメします。
上手な方は20Lくらいで2泊3日の縦走をしています。

 

まとめ

で、これらを自分にあったものにしていこうとしますと、お分かりかとおもいますが、
「そんな理想的なザックはねぇんだよ!」
といってしまいたくなります。
それくらい、理想のザックにはなかなか出会えません^^;
なので、あとは、消去法をつかってどこを妥協するかということになりましょうか。。。
ウェアよりも悩ましいのですよ、ザック選びは。

いろいろなのリュック・バックの紹介記事
※私はこの記事を書いたあとに、2014年に発売になったパタゴニアのアセンジョニストパックをメインで使うようになっています。シンプルかつ軽量で背負い心地もよく、使いやすいザックです。が、初心者むけではありません。 詳細は登山記ブログのほうにもUPしています その他にも名盤ザックはけっこうありますよ! 記事が古くなったので削除しました